小説

青山美智子『木曜日にはココアを』を読んだ

青山美智子さんによる小説『木曜日にはココアを』。12の物語で構成される、心温まる短編集だ。この物語で感じるのは、他人と自分の人生は実は地続きなのかもしれないーーそういう可能性である。 木曜日にはココアを (宝島社文庫) 作者:青山美智子 宝島社 Ama…

千早茜『正しい女たち』を読んだ

短編小説を読んでいると、物語ごとにあらゆる人間が出てくる。小説を介して彼女たちの生活を覗くと、本当に人生とは、生き方とは、人の数だけあるのだなあということを思い知らされる。 そのひとつひとつに心を揺らされて、背中を押されて、突き動かされて。…

辻村深月『鍵のない夢を見る』を読んで

たとえば、それまでいい妻だったのに、急にとんでもない悪女ということが発覚したり。あるいは、これまで可哀想な女生徒だと思っていたのに、実は順風満帆な人生を送る勝ち組だということがわかったり。こんな感じで(上記のような内容ではないのだけれど)…

村上春樹『パン屋再襲撃』を読んで

なぜ『パン屋襲撃』を手に取ったのかというと。あるレビューサイトで「"オズの魔法使いにでてくる竜巻のように空腹感が襲いかかってきた"という表現が素敵だった」との感想が書かれていたから。 なんとなく、自分の文章が同じような言い回しばかりな気がして…